被災した地域ではないのですが、子どもの様子がおかしいです。
2024.1.15
- 保護者
- 冨永良喜
災害や事故の報道をみて、胸が苦しくなったり、そのことを長い期間気にしたりする様子が子どもに見られる場合は、「共感ストレス」を受けている可能性があります。つらい状況にある人に共感しながらも自分が何もできないことに無力感を感じ、元気をなくしていくのです。
また、同じ内容を見聞きしても関心を示さない人や共感しない人に対して怒りを感じ、それがケンカにつながる場合もあるでしょう。
こうした反応を専門的には「二次的外傷性ストレス」、通称「共感ストレス」といいます。
子どもたちの優しい気持ちを活かすためにもストレス対処法を身につけるとよいでしょう。また、無力感を感じる時は、「今の自分に出来ることと出来ないこと」を分けて書き出し、整理することで冷静になれます。
その上で、自分たちにできる支援について家庭内や学校で話し合うのもよいでしょう。
- 取材・編集
- 社会応援ネットワーク
監修者プロフィール
冨永良喜 (とみなが・よしき)
兵庫教育大学名誉教授。博士(心理学)。元日本ストレスマネジメント学会理事長。専門は災害臨床心理学。阪神・淡路大震災、四川大地震、東日本大震災などで被災地の心のサポートに入った経験から、学校において、心の健康授業の普及をめざす。