地震後、子どもたちの寝つきが悪くなりました。
2024.1.30
- 小学校教諭
- 冨永良喜
災害後は、子ども、おとなに関わらず、「眠れない」ことがよく起こります。人や動物は、危機に直面すると、命を守るために心拍を速めるなど、生理的興奮の度合いが高まります。
過酷な状況がある程度緩和しても、その生理的興奮が静まらないのです。体が常に緊張している状態です。この状態を「過覚醒」と呼びます。
そんな時は、マッサージや体のもみほぐし、リラックス法が有効です。マッサージとまでいかなくても「肩をたたいてもらう」「肩に手を置いてもらう」「疲れている体の部位に手を置いてもらう」といった「してもらう」体験だけで身体や心が少し楽になります。
一方、リラクセーションは、「してもらう」から「自分でゆるめる・自分で動かす」体験です。簡単な呼吸法や遊びの中でリラックスする方法などを身につけておくと、寝つけないときの助けになります。
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監修者プロフィール
冨永良喜 (とみなが・よしき)
兵庫教育大学名誉教授。博士(心理学)。元日本ストレスマネジメント学会理事長。専門は災害臨床心理学。阪神・淡路大震災、四川大地震、東日本大震災などで被災地の心のサポートに入った経験から、学校において、心の健康授業の普及をめざす。