子どもが「テレビが怖い」と言ってさけるようになりました。
2024.2.15
- 保護者
- 冨永良喜
テレビのニュース映像などが、「トラウマ」の「トリガー」※になっていることが考えられます。見聞きした場合に「フラッシュバック」※が起こり得ることを知っておきましょう。トラウマの体験の直後には、「トリガー」(TVの災害報道など)を避けることは対処になります。
ただし、長期的には災害の話を避け続けることは根本的な解決にはなりません。「フラッシュバック」は回復の過程でも起こることだからです。「トラウマ体験」に関連した人やもの、場所を避け続けると、むしろ心にネガティブな影響が出てきます。まずは、子どもたちに被災後には身体や心の変調は誰にでも起こる当たり前の反応であることを教えます。「ドキドキして、泣きそうになっても心配ないよ」と話し、安心させましょう。
「トラウマ」は正しいケアで回復します。対処法を学びましょう。
※トラウマ体験をした人は、その時に見た景色や音、においなどが「トリガー」(きっかけとなる刺激)となり、トラウマを受けた時の情景や感情を鮮明に再体験する「フラッシュバック」という症状を引き起こすことがある。
※トラウマ体験をした人は、その時に見た景色や音、においなどが「トリガー」(きっかけとなる刺激)となり、トラウマを受けた時の情景や感情を鮮明に再体験する「フラッシュバック」という症状を引き起こすことがある。
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監修者プロフィール
冨永良喜 (とみなが・よしき)
兵庫教育大学名誉教授。博士(心理学)。元日本ストレスマネジメント学会理事長。専門は災害臨床心理学。阪神・淡路大震災、四川大地震、東日本大震災などで被災地の心のサポートに入った経験から、学校において、心の健康授業の普及をめざす。