怒りっぽい自分を変えたい!
2024.5.1
- 保護者
- 冨永良喜
怒りの感情自体は、必ずしも悪いものではありません。「怒り」は「防衛感情」とも呼ばれ、自分や大切な人を危険から守るために必要な感情です。でも、怒りに振り回されて親に反抗したり、友達に暴言を吐いたりすることで人間関係が悪化しているなら、改善が必要かもしれません。
特に、怒りに任せた言動によって「なぜあんなことを言ってしまったんだろう」と後悔し、自分自身が傷ついている場合は問題です。生きていれば、思い通りにならない出来事はたくさんあります。そんなとき、カッとなって他人や自分を傷つけてしまい、後悔するのを防ぐためにも「怒りのコントロール」が大切です。
怒りを上手にコントロールする方法として、アンガー・マネジメントが役立ちます。まずは「衝動のコントロール」を学びましょう。その第一歩として「6秒ルール」という方法を試してみてください。
6秒ルールとは、怒りを感じた瞬間に衝動的に行動するのを防ぐ方法です。具体的には、怒りを感じたときに頭の中で「1・2・3・4・5・6」と数を数えます。たったこれだけで、瞬間的な衝動が抑えられると言われています。
さらに、6秒間数えた後に深呼吸をすると、気持ちを落ち着かせる効果が高まります。少しの間を置くだけで、冷静に物事を考えられるようになります。怒りをコントロールする練習を重ねることで、少しずつ自分を変えていけるでしょう。まずは、この方法を試してみてくださいね。
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監修者プロフィール
冨永良喜 (とみなが・よしき)
兵庫教育大学名誉教授。博士(心理学)。元日本ストレスマネジメント学会理事長。専門は災害臨床心理学。阪神・淡路大震災、四川大地震、東日本大震災などで被災地の心のサポートに入った経験から、学校において、心の健康授業の普及をめざす。