災害時に避難所や避難先で、 心を落ち着ける簡単な方法は?
2025.2.11
- 中学生
- 冨永良喜
とてもよい質問ですね。いざという時に落ちを取り戻す方法を知っておくことは、とても大切です。ここでは、道具を使わずに簡単にできる方法をいくつか紹介します。
❶指を握る方法
片方の手の指をもう一方の手で包むようにして握ります。親指から順に1本ずつゆっくり握りしめ、10秒ほどキープしたら指を離します。これを繰り返すことで安心感を得られ、気持ちが落ち着いてきます。
❷10秒呼吸法
ゆっくりと息を吸いながら「1・2・3・4」と数え、息を止めながら「1・2」、そして「1・2・3・4」と数えながらゆっくり息を吐きます。呼吸に集中することで、不安や緊張を和らげることができます。
❸グラウンディング法
周りにある「見えるもの」「聞こえる音」「感じるもの」を順番に意識して名前を挙げてみましょう「。窓「」風の音「」足の感触」など、今この瞬間に意識を集中させることで心を安定させることができます。
❹セルフハグ
自分の両腕で自分を包み込むようにしっかり抱きしめます。自分の温かさを感じることで、不安や恐怖を和らげる効果があります。
こうした方法を覚えておくことで、いざという時に自分の心を守ることができます。そして、周りの人が不安に感じているときにも教えてあげることで助けになるでしょう。
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監修者プロフィール
冨永良喜 (とみなが・よしき)
兵庫教育大学名誉教授。博士(心理学)。元日本ストレスマネジメント学会理事長。専門は災害臨床心理学。阪神・淡路大震災、四川大地震、東日本大震災などで被災地の心のサポートに入った経験から、学校において、心の健康授業の普及をめざす。