長期欠席後、登校できた子どもに対し、避けるべき言葉を教えてください。
2025.11.4
- 教職員
- 福島美由紀
避けるべき言葉は、子どもを精神的に追い詰めるか、過度なプレッシャーを与えるものです。
❶比較や責任を追及する言葉
「みんな来てるやないか」「お前だけだぞ」といった言葉は避けてください。これは交感神経優位の過活動状態を強制するものであり、せっかくの登校を台無しにします。不登校だった子は、心の中で「本当はやりたかったのにできなかった」という強い葛藤を抱えているため、これらの言葉は信頼関係を損ねてしまいます。
❷過度な期待や未来へのプレッシャー
「元気そうでよかった」「また明日も来れるね」という一見励ましのように聞こえる言葉にも注意が必要です。子どもは、大変な無理をして登校している場合があります。その頑張りが見えずに「元気そう」と言われると、「こんなに辛いのに誰も分かってくれない」と孤立感を深めてしまうことがあります。
「つらかったね」
「学校に行くのは、ちょっとエンジンかかるのに時間かかるよね」
と、まず相手の気持ちに寄り添うことです。そして、「明日も頑張って」ではなく、「今日、よく頑張って来られたね」と、今日の事実だけを認めます。顔色や声色といった非言語的な情報に注目し、プレッシャーを与えない穏やかな対応を心がけることが大切です。
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監修者プロフィール
福島美由紀 (ふくしま・みゆき)
スクールカウンセラーとして約20年間、小中高等学校で勤務。看護学校2校の非常勤講師として「カウンセリング理論」「メンタルヘルスマネージメント」の講義を担当。スクールカウンセリングでは、不登校、非行、いじめ、友人問題、発達障害のほか、育児不安や家庭の問題など、さまざまな悩みに対応。子どもや保護者の悩みを聞くだけでなく、教職員の相談、研修や講演会、教育プログラムなども手掛ける。

