リストカットがやめられません。
2023.9.30
- 中学生
- 冨永良喜
10~20代では心が不安定になるとリストカットなどの自傷行為が見受けられます。
命の危険性は少ないので、「周囲の気を引くため」と思われることも少なくありませんが、本人にとっては「自分を罰したい」「つらい感情から逃れる方法が見つからない」からやめられないのですよね。
単に自分を傷つけているのではなく、嫌な出来事の記憶なども一緒に「切り離して」しまっているのです。実際に自傷行為によって脳内ホルモンが分泌され「嫌な気分」はいったん和らぐのですが、繰り返す度に効き目が弱くなり、傷が深くなっていく傾向にあります。
対処としては、まずはつらい気持ちを受け止めてくれそうな友達と一緒に信頼できる大人に相談してみましょう。大切なのは、悩み事を話す機会を持つことです。運動したり音楽を聴いたりするなど、健康的なストレス対処法を身につけることも大切です。社会応援ネットワークのYouTubeチャンネルで、自分に合う方法を探してみてください。
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災害と心のケア_202309
- 取材・編集
- 社会応援ネットワーク
監修者プロフィール
冨永良喜 (とみなが・よしき)
兵庫教育大学名誉教授。博士(心理学)。元日本ストレスマネジメント学会理事長。専門は災害臨床心理学。阪神・淡路大震災、四川大地震、東日本大震災などで被災地の心のサポートに入った経験から、学校において、心の健康授業の普及をめざす。