こうした状況は、労働環境にも影響を及ぼしている。新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ施設の看護職員287人のうち、半数以上の146名が「勤務実態が悪化した」と回答。主な理由としては、「時間外勤務が増えた」、「休暇の取得が難しくなった」、「夜勤の回数が増えた」などが挙げられた。院内感染の危険性と隣り合わせの中、懸命に対応する職員への差別や偏見も指摘されている。コロナ患者と直接かかわる職員のうち、約3割の職員が「差別や偏見を受けたと感じたことがある」と回答。「子どもや家族が悪く言われた」という風評被害のほかにも、「他病棟勤務のナースから一歩も二歩も距離を取られた」など、医療従事者間でのやりとりを挙げる回答もあった。
メンタルヘルスへの影響も深刻だ。コロナ患者と直接かかわる職員の約2割が「うつ症状がある」と回答。そのうち、症状として回答が多かった順に「不安」が84%、「気分の落ち込み」が66%、「意欲がわかない」が37%となった。その一方で、勤務している施設内におけるメンタルヘルス相談窓口の有無について、「ない」「わからない」の合計が全体の40%を占めた。うつ症状を自覚しつつもメンタルヘルスの相談をしたことが「ない」と答えた人は約9割に上った。その理由を尋ねると、最も多いのは「相談しても何も解決しないから」の57%で、次いで「相談に行くのが面倒だから」が23%、「相談しにくいから」が20%となった。
これらの結果を受けて、調査の責任者である自治労衛生医療局長の福井淳さんは、「相談窓口の設置が不十分なことも問題だが、相談する人もごく少数に限られている。コロナ対応が長期化する中で、医療機関で働き続けられる環境整備、職員のメンタルヘルス対策が急務だ」と話した。 